Oceania Football Challenge

オセアニアで活躍する日本人選手を応援

選手インタビュー⚽️後藤憧⚽️

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後藤憧

生年月日: 1988年12月31日
身長/体重: 177cm/ 73kg
ポジション: トップ下 / ボランチ / サイドハーフ / サイドバック
主な所属クラブ:
ネイピアシティー・ローヴァーズ(ニュージーランド2部)
ホークスベイ・ユナイテッド(ニュージーランド1部)

日本人選手にとって、1年以上プレーする事が難しいと言われているニュージーランドナショナルリーグで2シーズン目を戦う海外経験が豊富なベテラン選手。f:id:oceania_football:20200324111323j:image

昨年のChatham Cup決勝戦ではMVPを獲得するなど、ニュージーランドで活躍を続けている後藤さんにインタビューを行いました。

ーー今までに数多くの国でプレーされてきた後藤さんですが、これまでに行った主な国を教えて下さい。

実際に契約してプレーをしたのはラトビア、カナダ、ニュージーランドです。


ーー今までの海外生活で一番大変だった事は何ですか? 

初めての海外生活だったラトビアです。
英語圏ではない国で、こちらもまだ未熟な語学で、コミニューケーションがスムーズにいかない。若い人は英語を話すけれど、一般の人はラトビア語やロシア語が公用語でした。
提供された家ではシャワールームの排水不備や洗濯機の故障などがそのまま放置されるなどのメンテナンス不備だったり、日本での当たり前がここでは当たり前ではないのだと初めての不便さを体験しました。f:id:oceania_football:20200323202732j:image
その中でも一番辛かったことは『歯』です。
渡航前にチェックしていたにも関わらず、虫歯を悪化させてしまいました。
かと言って、現地での治療も不安。ものを噛めない状況が続き、かなり辛い思いをしました。歯は大切です。


ーーカナダプレミアリーグでプレーするという選択肢があったにも関わらず、ニュージーランドに来る事を選んだ理由を教えて下さい。

カナダ(ハイランダーズ)に戻り、プレミアリーグを目指す選択肢はあったものの、プロリーグでプレーをしたいという夢があり、サッカー人気で盛り上がっているタイにチャレンジしました。
いくつかのチームでトライアルを受けて、2チームと実際にサインしたものの、チーム状況がどちらとも変わり、期間中に登録することが出来ませんでした。 
一旦帰国していたところ、カナダのチームのコーチが連絡をくれて、ネイピアのチームが契約したいと言ってくれてるという話しを聞き、運命だと思いすぐにニュージーランドに行きました。
信頼している人からの紹介だったこと、自分を必要としてくれるということが決め手でした。
カナダのチームよりも好条件だったのもあります。
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ーー昨年のChatham Cup決勝戦でのスーパーゴールとMVP受賞。あの試合を振り返っていかがですか?

最高でした。ネイピアでの2シーズン目で、チーム関係者、コーチやチームメイトとも信頼関係が生まれていて、良い関係が築けていました。そして多くのサポーターがネイピアからオークランドまで応援に駆けつけてくれていたなか、歴史あるニュージーランドのカップ戦を17年振りに優勝することができ、とても嬉しかったです。
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実は3試合前くらいまで、脚に故障を抱えていたため、100%のプレーができていない状況でもどかしさもあり、やっと決勝で貢献できたという思いでした。
試合後の生中継でのインタビューでは、ネイピアの自宅で中継を観戦していたニュージーランド人のホスト女性に向けて、日頃の感謝の意味を込めて、思わずその人と愛犬の名前を叫んでいました‥(笑)。
ちょうど、旅行で日本から来ていた母の前で優勝することもでき「できすぎた脚本のよう」と喜んでくれました。
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ーー外国人枠の制限などもあり、よほどの結果を出さないと定着する事が難しいと言われているニュージーランドナショナルリーグで2シーズン目を過ごされている後藤さんですが、結果を出し続ける為に、何か日頃から意識されている事はありますか?

チームの勝利に貢献するためには、監督・チームの方針を理解し自分に落とし込むこと。特に日本人選手に求められているもの(例えば、献身的なプレー、複数のポジションをこなせる器用さなど)があると思います。
チームメイトやチームスタッフとの繋がりを大切にすること、身体的だけでなく、心の準備も怠らないことなどを意識しています。f:id:oceania_football:20200323152459j:image

 

ーー最後に、後藤さんのようにこれから海外でプレーする事を夢見る日本人選手にメッセージをお願いします。

自分の場合は、大学を出てプロの道を掴み損ね、そのあとの社会人リーグでの貴重な経験を経て、海外へ飛び出たのですが、人としての成長を意識するようになったのは、海外に出てからのように思います。
特に、カナダやニュージーランドに来て出会った選手の中には、イングランドプレミアリーグでの経験者や、上昇意識の強い南米の選手など、様々な国の経験豊富な選手もいます。彼らから、プロ意識や、ぶれない目標、やってきたことに裏付けされた自分を信じる力など、学ぶことが多いです。
ホークスベイ・ユナイテッドでの2シーズン目は、新型コロナウィルス(COVID-19)のため、残り2試合を残してシーズンが中止となってしまい、チーム成績も不本意な結果のまま終了していましました。
今は延期となっているウィンターリーグ開幕を待ちながらネイピアでトレーニングをしています。
このような状況ですので、さらに感じるのは、どの環境であっても選手としてサッカーができることはかけがえのないことだと思います。
それは日本のチームであっても同様のことではないでしょうか。
今の環境で仲間や家族を含め支えてくれる人たちと喜びを分かちあい、人としても成長していきたいと思います。
サッカー人生途上の皆さんも共に頑張りましょう。
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